医療現場で、最も人とモノに触れる職種
看護職は、患者のそばでケアを担うと同時に、医療資材の使用・管理・廃棄、業務動線などに日常的に関わっています。
その判断と行動は、医療の質だけでなく、現場の負担や資源の使い方にも影響を与えます。
だからこそ、持続可能な医療の実現において、看護職が担う役割は大きいと考えます。
ISSUES WE FACE
人々の命と健康を守るために存在する「医療」が、いま、大きな矛盾を抱えています。
この章では、SMEが向き合っている課題の全体像をお伝えします。環境負荷、経営難、人手不足など、医療の持続可能性を揺るがす課題を地続きの問題として捉え、看護職の視点から向き合います。
CLIMATE × HEALTH
気候変動や環境破壊は、単なる環境問題ではなく、人の命と健康に直接関わる問題です。


MEDICAL FOOTPRINT
そして、医療自体もまた、環境に負荷を与える原因となっています。
医療分野は、航空業界を上回る温室効果ガスを排出している ── この事実は、多くの医療従事者にとって、なお驚きをもって受け止められるものです。
医療という営みそのものが、地球環境への大きな負荷と切り離せない構造の中にあります。
人々の命と健康を守るために存在する『医療』が、気候変動を通じて、人々の健康を脅かす一因となっている。
この構造的な矛盾こそ、SMEが最も重要だと考える問いです。
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JAPAN'S REALITY
環境の問題と同時に、日本の医療そのものが、深刻な持続可能性の危機に直面しています。
「経営が苦しい」のに「使い捨てが増える」。この巨大な矛盾を放置したまま、日本の医療は、これから先も持ちこたえられるでしょうか。
環境も、経営も、人も。すべてが同じ構造の中で疲弊しています。

WHY NURSES?
これらの課題に対して、看護職は決して周縁の立場ではありません。むしろ、中心的な役割を担いうる職種です。

看護職は、患者のそばでケアを担うと同時に、医療資材の使用・管理・廃棄、業務動線などに日常的に関わっています。
その判断と行動は、医療の質だけでなく、現場の負担や資源の使い方にも影響を与えます。
だからこそ、持続可能な医療の実現において、看護職が担う役割は大きいと考えます。
国際看護師協会(ICN:International Council of Nurses)が定める『看護師の基本的責任』には、次の3つが含まれています。
疾病の予防
健康の増進
健康の回復
さらにICN倫理綱領には、看護職が自然環境の保全に取り組み、気候変動などの環境悪化が健康に与える影響を認識することも示されています。環境と健康に向き合うことは、看護職の専門性と深く結びついています。
出典:International Council of Nurses, The ICN Code of Ethics for Nurses(2021)看護職が日々の実践で得る気づきや違和感には、医療をより良くするための多くのヒントがあります。
SMEは、看護職の視点を医療機関、研究者、企業、行政などにつなぎ、環境負荷と現場の負担を減らしながら、質の高い医療を支えられる仕組みの実現を目指します。